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口腔ケアについて ~入れ歯について~

   

みなさん、こんちは。

今回は入れ歯についてお話をします。

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入れ歯を使っている人の多くが、入れ歯に対してなんらかの悩みを持っていると言われています。例えば、上の入れ歯がゆるくて話しているうちに落ちてしまう。下の入れ歯が浮いて、噛むたびに歯肉がこすれて痛い。部分入れ歯に金具が舌に当たり傷ができてしまった。また、入れ歯をすると味が分からない、好きな漬物が噛めなくなったということもあるのではないでしょうか。合わない入れ歯を使い続けていると、痛みや不快感があるだけではなく、もともと備わった食べる機能が弱くなってしまうのです。

 

合わない入れ歯を使い続けると、まず最初に起こる大きな問題は食べられなくなるということです。入れ歯が痛くて食べられない、歯ごたえのあるものが食べられないということは、高齢者から食べることの楽しみを奪ってしまうことになります。二つ目は食べられないことによって、エネルギーが不足することです。食は健康の源であり、食が細くなると体力や免疫力も低下してしまいますので、健康な身体作りはできません。三つ目は合わない入れ歯を無理して使い続けると、食べたり話したりすることに苦痛を感じ、次第に口の機能を使わなくなってしまうことです。高齢者では使わない機能はすぐに低下してしまいます。入れ歯が影響して食べられない、話せないと思ったらいつの間にか食べることや話すこと自体ができなくなっていた、ということもあります。入れ歯を調整したり新しく作り直すことにより改善することもあります。しかし、食べる機能や話す機能は一度低下してしまうと、入れ歯を調整しただけでは改善されず、言語聴覚士等の専門スタッフからの口腔リハビリが必要になるのです。

 

最初はぴったり合った入れ歯でも、いつかは違和感を感じるようになります。それは、あごの骨や歯肉、歯の状態が生理的に変化しているためです。また、長期間使用していると、入れ歯自体が変形することもあります。合わない入れ歯を使っているとあごの高さが低くなり、さらに合わなくなってしまうのです。

 

入れ歯と上手に付き合うには、入れ歯には寿命があることを理解して、違和感を感じたらすぐに歯科医師の相談し、微調整をしてもらいましょう。日頃から、特定の歯科医を決めておいて、なにかあれば気軽に相談できるようにしておくこともひとつの方法です。特に入れ歯は不具合がなくても半年から1年に一度ぐらいは入れ歯の定期健診をお勧めします。

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