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口腔ケアについて ~高齢者の口臭~

      2016/06/29

みなさん、こんちは。

今回は高齢者の口臭についてお話をします。

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高齢者に顔を近づけて話す時、臭いが気になることはありませんか?介護の現場でならともかく、家庭で孫や子供から口臭が気になることを言われたら、その方はショックでしょうね。このようなことから、家庭では家族が近寄らないということも珍しくはありません。その結果、「自分は嫌われているかもしれない」と悩み、しまいにはうつ状態になる高齢者もいるほどです。また、人との接触がない少ない生活では、脳の刺激も少なくなり老化が進んでいくのです。

 

口臭のほとんどの場合、本人でなく他人が気付くことが多いです。原因の多くは口の中の細菌が唐を分解するときに発生する揮発性硫化化合物と分泌なのです。歯周病で歯肉の炎症が進んで出血したり、うみが溜まったりするとさらに悪臭を発します。口臭の原因になる細菌は、普通、歯と歯肉の溝に生息していますが、口腔ケアをしなかったり、唾液の分泌が低下すると、舌や上あごにも沢山つくようになります。口から呼吸する人では、口の乾燥が進み口臭はさらに強くなります。

 

匂いのタイプは、生臭いもの、魚のような臭い、物が腐ったよう臭い等さまざまです。近づいてハァと息を吹いたときに臭う程度なら、あまり支障がないでしょう。しかし、ひどい人になると、その人の部屋に入っただけで強烈な臭いがするのです。口臭は単なる臭いではなく、口の中のトラブルのサインなのです。口臭があれば歯周病やむし歯、舌の汚れなどが疑われます。歯や舌などをブラッシングし、病気を予防すると同時に、口臭を抑えましょう。高齢者は自分で気が付くことが難しいので、家族がさりげなく口腔ケアをすすめてみるのもひとつの方法です。

 

口臭の起こりやすいひとは、食後歯磨きをしない人、むし歯や歯周病がある人、唾液の分泌が低下している人、あまり会話をしない人、入れ歯が汚れている人、全身疾患がある人などです。唾液に分泌に関しては、加齢と共に唾液が出なくなるので、唾液腺マッサージをしたりして、対応してみて下さい。因みに唾液腺はあごの少し奥のくぼみがそうです。ここを外から指で軽く押えると唾液がでます。

 

口に原因がない場合の口臭もあります。胃潰瘍、慢性鼻炎、慢性気管支炎、糖尿病、癌などです。歯科医師や歯科衛生士に確認してもらっても、口腔内に異常がなければ、他の病気から口臭が発生しているかもしれませんので、注意が必要です。

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