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サクセスフルエイジングとプロダクティブエイジング

   

みなさん、こんちは。

今回はサクセスフルエイジングとプロダクティブエイジングについてご説明します。

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このふたつの言葉は、一般的にはあまり聞かない言葉ではないでしょうか?しかし高齢期に適応した生活を送るためには、大切な意味があるのです。

 

まず、サクセスフルエイジングとは加齢に伴うさまざまな変化によく適応しながら幸福な高齢期を過ごすことができる状態を意味しています。高齢期は加齢に伴い他者との人間関係が縮小し、社会的役割から撤退していく時期であり、いずれの文化においても普遍的な現象であると考えられています。また、人格的にも加齢によるさまざまな影響を受けて、自己中心的、自己満足的になり、安息や休息をしながら安定した落ち着いた余生を送っていくという考え方なのです。これらのことは、サクセスフルエイジングを考える上で欠かすことのできない、重要なものなのです。

 

プロダクティブエイジングとは、サクセスフルエイジングによく似た意味を持ちます。高齢者も生産に寄与するべきであり、高齢期は生産的な活動にも参加するべきだという考え方です。さて、ここで「生産」という言葉を出しましたが、経済的な生産に限定されない、社会貢献等の社会的生産性も含まれています。

 

高齢者は生産的、独創的な能力を維持している人が多いにも関わらず、根拠のない年齢差別等によって能力が活かされないといわれています。仕事等の有償労働、家事等の無償労働、ボランティア、自分の生活行為等の就業から身の回りの生活行為までも含み、広範囲的な活動を指し、高齢者の役割に視点をあてた考えなのです。

 

介護のプロでも、家族による介護でも、このふたつの言葉の意味を少しでも意識しておくと、高齢者の心理を理解する上で役にたちます。充実した幸せな高齢期を迎えるためには、高齢期になって活動やライフスタイルをいきなり変更するよりも、高齢期に至る以前の青年期や中年期などのライフスタイルや行動様式を継続していくことが望ましいのです。

 

特に家庭での高齢者の役割を明確にして、家庭や社会との孤立を防ぎ一人の人間として接しながら、「介護」という時期を迎えるのです。悲観的な考えではなく、社会のなかで活躍の機会を拡大して、憧れのライフステージとなることに大きく貢献するのです。

 

今回は少し難しい内容でしたが、介護する側の立場として理解しておきたいこの二つの言葉なのです。家庭の生活においても少しだけ意識してみて下さい。

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