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筋萎縮性側索硬化症という病気について

   

みなさん、こんちは。

今回は筋萎縮性側索硬化症という病気について説明をします。

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あまり聞きなれない病気ですが、この病気に関わった経験したことがありますので、体験談を含めた話をしたいと思います。

この病気は主に脊髄と脳の身体を動かす神経の命令が伝わらなくなることで、筋肉が縮み、力がなくなっていく病気なのです。

私が関わった人は、まず、痰の絡みが増えだしたのが最初の症状でした。しかし、この時点ではこの病気を疑うことはありませんでした。たまたま、別の病気で病院を受診したとき、症状を細かく医師に説明すると筋萎縮性側索硬化症の疑いを伝えられたのです。しかし、その病院では検査ができませんでしたので、別の病院を紹介してもらい精密検査をしたのです。

その結果、難病指定である筋萎縮性側索硬化症と告げられたのです。この病気は難病指定ということだけあって、明確な治療法がありません。せいぜい、症状の緩和ぐらいなのです。そのうち、徐々に進行し、食事もできないほどになりました。こうなると、食べものを誤って器官に入れてしまう恐れがありますので、胃に穴を開けてそこから栄養を流し込むようにしました。

 

このような状況になっても、頭はしっかりしており、自分の意思を持つことができるのです。しかし、症状のひとつである、しゃべりずらさが出現するため、他者へその気持ちを口に出して伝えることができないのです。また、手の動きも悪くなり、腕が少し動く程度でした。自分の意思や気持ちを伝えられないということは、本当に辛いことです。そこで、言語聴覚師の提案で、「伝の心」という意思伝達装置の導入を行いました。これは、パソコンのモニターに大きな字で文字を映し出すことができ、文章を組み立てることができます。では、入力の方法が気になるでしょう・・・。キーボードやマウスは使いません。棒状のものを指先を少し動かし、文字を画面に映し出すことができるのです。この装置は多少の訓練は必要ですが、慣れて使いこなせるようになると、メールを送信できるようになる、とても便利なものです。

 

このような生活をしながらも、状態はどんどん悪化します。筋肉といえば、足や手の筋肉を連想して、動作ができないようなイメージだと思いますが。しかし、飲み込むための筋肉や便を出すための筋肉もなくなるのです。痰が出た場合は、吸引をして機械で吸い込むのですが、吸引しても吸引してもすぐに痰は溜まるのです。結局、自分の痰が詰まってしまし、亡くなったのです。

 

このような病気で、発症する確立は低いですが、介護の現場では十分ありえることです。知能の衰えはありませんので、本人はかなり辛い病気ですので、ケアする側は気持ちを十分に理解してあげましょう。

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