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在宅介護での工夫 ~お尻に便がこびり付いたときの対応~

   

みなさん、こんにちは。

今回は排泄で便がお尻にこびり付いてしまったときの対応をお伝えします。

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便の硬さや形状は個人により差があり、食べたものや時間帯でも違ってきます。下痢便や水様便は漏れやすいの大変でですが、固めの粘りがある便も処理が大変なのです。粘りのある排便の場合は、陰毛に絡みついたりしてきれいに拭き取るだけでも大変ですし、時間もかかり、肌もあれてしまいます。

そんなとき、家庭で対応できる簡単な方法があります。まず、拭き取るものですが、多くの人は「お尻ふきシート」と呼ばれるウエットティッシュの大判のようなものを利用しているのではないでしょうか。使い捨てで確かに便利ですが、粘りのある便をこれでゴシゴシ拭き取っていては肌が荒れてしまいます。古くなったタオルや綿の衣類を適当な大きさに切って、何枚もストックしておきます。そして、排便のとき、水にぬらしてレンジでチンすれば蒸しタオルのようになるのです。勿論、排便の処理に使用するので使い捨てで構わないと思います。あまり熱すぎないように注意し、汚れた部分に軽くあて便がふやけるまで数秒待ちます。そして一気に拭き取るのです。肌も荒れにくくなりますし、本人への負担も軽減できます。

それでもなかなか汚れが落ちない場合があります。そんなときは、お湯で便を直接流す方法があります。まさか、洗面器にお湯を汲んでくるわけにもいきませんよね。食器洗い用の洗剤が入っているボトルを再利用したらいいのです。ここまでお話すると分かりましたか?使用済みのボトルにお湯を入れて使います。ボトルの出口が小さいため、お湯は一気に出ずに、少しずつ出ます。お湯は自分の手で触れて確かめて、熱くないことを必ず確認してください。これを上手く利用して便に少しずつ掛けて取り除いていくのです。必要に応じて石鹸を利用してさらに清潔に保つことも出来るのです。

実はこの方法、施設では専用のボトルを使用して汚れを落としています。女性の場合は、汚れた便が膀胱に入り「尿路感染症」という病気にかかることもあります。これは、便を上手に吹き取らなかったり、便で汚れたままいつまでも放置しているとなってしまうのです。この病気になると、高熱がでて尿の色が汚れて、匂いもきつくなります。予防するために、今回ご紹介した方法等で便はしっかり拭き取っておく必要があるのです。

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