特別養護老人ホームの入所の優先順位
みなさん、こんにちは。
今回は特別養護老人ホームの入所の優先順位にいてご説明します。
介護保険施設のなかでも特別養護老人ホームは人気が高いです。申込みをしてもなかなか順番がこないのが現状です。
施設に見学に来て「何人ぐらい待っていますか?」とよく聞かれます。
「え~、150人ぐらいですかね・・・」
と答えると、皆さん表情が曇ります。
この150人という数字のなかには、他の施設を重複して申込みをいている人や、もしかして既に亡くなっている人も含まれています。なので、単純に150名が待機しているのではありません。とは言っても、すぐに入ることができないのは事実です。
それでは、どのように入所の順位が決定していくと思いますか?
申込み順だと思っている人が多いのですが、違うのです。
「どれだけ、施設での生活の必要性が高いか」で決まっていくのです。
例えば、要介護3で大勢の家族に囲まれて、息子や嫁から介護を受けている人は順位が後ろの方になります。逆に、同じ要介護3でも、独居(一人暮らし)の人や夫婦二人暮らしで、介護する配偶者も高齢である場合には、順位は高くなります。
なので、3年待っていても入所できないが、3ヶ月で入所できる人もいるのが現実です。
また、平成27年に特別養護老人ホームの入所基準が変更になり、原則要介護3以上の人しか入所できなくなりました。しかし、現状では、要介護4、5の人が必然的に得点の高くなり、順位が上位にくるのであまり影響を受けてはいません。
ここで、問題です。
「在宅(自宅)での生活の人」VS「病院や他の施設で生活して人」
どちらの方の順位が高くなると思いますか?
答えは「在宅(自宅)での生活の人」です。
考え方としては、「現状で病院や施設で生活している人はとりあえず生活できる場所が確保できているでしょ?」いう事なのです。在宅だと介護不足により栄養が不足しているかもしれない、老老介護だと共倒れになるかもしれない、というところが配慮されるのです。
次です。
まったく同じ生活環境だとして
「認知症状がある人」VS「ほとんど認知症状がない人」
どちらの方の優先順位が高くなると思いますか?
答えは「認知症状がある人」です。
考え方は、「認知症があると介護するのが大変だから施設でお預かりできますよ」ということです。早く入所させたいと思う家族さんが、認知症があると介護するのが大変だから施設側が入れたがらないと思っている人がいるようです。
特別養護老人ホームの入所基準を正しく理解して、後悔のないようにしましょう。