介護のヘルプ|介護士目線の介護現場

介護士の目線で介護の現場、介護士保険制度、老人ホームやデイサービスを解説、要介護者との生活にお悩み解消にお役立て下さい

食事と姿勢

   

みなさん、こんちは。

今回は食事と姿勢の関係性について触れていきたいと思います。

00138

普段、私達が食事をしているとき、どのような姿勢をとっているでしょうか?正座をして畳の部屋で和食を食べている時も、椅子に腰掛けて洋食を食べているときも、横からみると誰もが必ず前かがみの姿勢になっていると思います。これはどこのだれでも同じ姿勢を保ち食べるでしょう。というのは、食べ物をうまく飲みこもうとすれば、必然的に前かがみの姿勢をとるようになっているのです。例えば、上を向いたままや寝たままの姿勢で食事をしてみると、食べ物や飲み物が非常に飲みこみにくいだけではなく、何かの拍子に気道に入りこんでむせてしまうことが分かると思います。

 

これは、逆に言えば、前かがみに座った姿勢が一番飲みこみしやすいことを意味します。寝たきりとされている高齢者でも、そのほとんどは足を垂らせば自分で座ることができるのです。片麻痺等で飲みこみが難しい人ならば、なおさら前かがみの姿勢で食べるようにしたいものです。

 

最初から無理と決めつけて寝たまま食事介助をしたり、鼻チューブや胃ろうにしたりするのではなく、まずは車椅子に乗せて食道に連れ出してみるとこから始めましょう。移動が難しければ、ベッドから足を床に降ろして座ってもうらようにします。今まで食べようともしなかった人でも、座った姿勢をとるようにしたら食事が自立したということが、実際に介護の現場ではたくさん起きています。

 

安定した座位姿勢を保つポイントは、①前かがみになっていること②両足がしっかり床に着いていること、この2点が大切なのです。そのためには、テーブルや椅子(またはベッド)がその人の身長に合った高さになっていることも大切です。

 

体調不良等で、ベッド上で食べるときは注意が必要です。背中の角度を上げて身体をおこしますが、不自然な姿勢にならないようにしなければなりません。自宅で介護されており、食事介助する場合はしっかりアゴを引いて、食べものが重力で上から下に流れるような姿勢を確保しなければなりません。ベッドだけではなく、リクライニング車椅子でも同じことです。これも自由に背中の角度を調整できますが、アゴを引いた自然に姿勢になるように必要に応じて、クッション等で微調整しましょう。正しい姿勢でないと食道に流れず、器官の方に行くと誤嚥性肺炎を起こし、命の危機に関わることだってあります。特に、自宅で介護をしていると、体調の変化に気付かず、医師に相談したときは大事になっていることだってあります。

 - 介護, 介護士, 在宅介護