介護のヘルプ|介護士目線の介護現場

介護士の目線で介護の現場、介護士保険制度、老人ホームやデイサービスを解説、要介護者との生活にお悩み解消にお役立て下さい

口腔ケアについて ~歯周病について~

   

みなさん、こんちは。

今回は歯周病についてお話をします。

001495

歯周病は歯を支える歯周組織が細菌に侵され、壊されていく病気で、日本人の国民病と言われるほど罹患率が高いのです。中高年の約8割がかかっているとも言われています。歯周病は子供にも見られますが、ゆっくりじわじわと進行するため、症状が出るのは中年になってからなのです。

 

原因となる細菌は数多くあります。いずれも私たちの口の中によく見られる菌ですが、汚れがひどくなったり抵抗力が低下したりすると急速に増えていきます。高齢になると全身の健康状態にも問題が多くなるため、それだけで歯周病を悪化させるリスクも高くなるのです。また、歯周病が恐ろしいのは、気付いた時には進行していて、歯がグラグラして抜けてしまったということが珍しくないことです。

 

歯周病は歯と歯肉の間にある溝に歯垢や歯石がたまり、歯石のなかの細菌が歯周ポケットを作っていきます。健康な人では1~2mm程度ですが、歯周病が進むとそれ以上に深くなります。そして、歯肉の下にある骨が吸収され、歯を支えられない状態になっていくのです。最初のうちはほとんど症状がなく、気付くことはまれです。やがて、口臭や歯の炎症、出血などが見られ、次第に歯肉が弱り歯が伸びたように見えます。重度になると、そのうち歯が抜けてしまうのです。

 

歯周病と深く関係がある病気があります。代表的なもので糖尿病があります。何となく耳にしたことがある人もいるのではないでしょうか?糖尿病は糖が高い状態が続くと、白血球の機能が低下して、炎症を進め、組織が破壊されやすくなります。糖尿病の人は歯周病にならないように、また歯周病をそれ以上に進めないようにすることが大切です。また、骨粗しょう症の方には歯周病が多いという傾向もあるそうです。歯や歯を支える下の骨が影響するのではないでしょうか?更年期の女性も、歯周病になりやすいと言われています。こえれは、骨の形成を促進し、骨の吸収を抑制する働きを持っている女性ホルモンの分泌量が減少するためです。その他にタバコを吸う人も確立が高くなうようです。

 

歯周病の影響は、口だけではありません。一番怖いのはあの有名な誤嚥性肺炎です。誤嚥は食べ物や飲み物が食道でなく、器官にはいるものですが、唾液に混じる歯周病の原因となるバイ菌が含まれるとリスクが高くなるのです。誤嚥性肺炎になると、状態によっては死に至ることもあるので注意が必要となります。

 - 介護, 介護士, 口腔ケア, 在宅介護