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口腔ケアについて ~高齢者の問題点~

      2016/06/29

みなさん、こんちは。

今回は口腔ケアに関して高齢者の問題点をご説明します。

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介護が必要な高齢者の口の中にはさまざまなトラブルを抱えています。なかには、「どうしてここまで放っておいたのだろう」と思うほど症状が進行したかたも少なくはありません。それはなぜでしょうか?それは高齢者が抱える3つの問題があるからです。ひとつは老化、二つ目は病気や障害を抱えていること、三つ目は口腔ケアが介護者の負担になるということです。

 

私たちの口の中は、ある程度自浄作用が働いています。唾液が口の中の食べカスを洗い流したり、細菌によって酸性化した口の中を中性に戻す役割があります。しかし、高齢になると老化によって唾液の分泌量が減少します。また、あごの骨が弱ったり、舌やあごの運動機能が低下したりして、唾液腺があまり刺激されないため、唾液が出にくくなります。そのため、高齢者は口の中の自浄作用が働きにくく、汚れがつきやすくなるのです。

 

脳卒中や糖尿病、認知症などの病気を抱えていることも、高齢者の口腔事情に悪影響を及ぼします。例えば、脳卒中では麻痺のある側の感覚が鈍るため、口の中に食べ物が残りやすくなります。また、麻痺側の手指の動きが低下し、口腔ケアをするときに支障をきたすことがあるのです。糖尿病では傷が治りにくく、口の中の細菌が増えやすくなります。また、認知症があると、口腔ケアに対して理解が得られにくくなるというのも、口の中の状態を悪化させてしまう原因になります。

 

介護が必要な高齢者の口腔ケアは介護者の介護力にかかっていることも現状です。介護者は食事や排泄、身の回りの清潔など、さまざまな介護に時間をとられてしまいます。高齢者が嫌がったりすれば、口腔ケアが後まわしになるのも仕方がないことかもしえません。

 

高齢者に多い口のトラブルをまとめてみました。

  • 歯石 歯と歯肉の境目に付きやすいです。歯周ポケットの奥に詰まった歯石は取りにく

いです。

  • 歯垢 むし歯や歯周病の原因となる細菌のかたまりです。
  • むし歯 なかには歯の根元だけになって人もいます。
  • 舌苔 舌の表面に汚れがびっしり付くことがあります。
  • 乾燥 口の中が乾いてしまい、汚れもかたく付着することもあります。
  • 口臭 近くによっただけで、物凄い臭いがします。最近の繁殖が原因です。
  • 入れ歯が合わない 入れ歯が外れたり、歯肉に傷をつけることになります。
  • 口内炎 入れ歯の金属などが当たるなどして、傷や潰瘍を作ることもあります。

この様な状態になることが多いですが、なんとか介護に携わる家族やスタッフで改善・予防できるといいですね。

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