介護のヘルプ|介護士目線の介護現場

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高齢者とのコミュニケーションの方法

   

みなさん、こんちは。

今回は高齢者とのコミュニケーションの方法をお話します。

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人を大切にするということは、共感しているという気持ちを伝えることです。相手の気持ちが分かったということをきちんと伝えて、初めて共感と言えるのです。それはコミュニケーションによって成立するのです。身体に直接触れて生活を支援する介護者にとって、要介護とどれだけうまくコミュニケーションが取れるかは、重要であると同時に基本的な介護なのです。

 

私達は、普段意識しなくても言語的、非言語的信号を発しながら人とコミュニケーションを取っています。自分の本心ではないことを伝えないといけない場合、ついつい本心に近い信号が出てしまい、いろいろ出した信号が矛盾することがあります。例えば、ガンであることを知らない患者に「あなたはガンではないです」と伝えるとします。伝える側の人がそのガンであることを知っていると、ウソをついてしまうことになります。そのとき、「あなたはガンではないです」と伝えたつもりでも、自然に表情が変化したり手が震えたりすると、言葉の表現と矛盾する信号をだしてしまうこともあります。そのとき、その信号に相手が気付いたら、相手はどのように感じるでしょうか?

 

認知症の高齢者においても自分への関わりが、自分にとって好ましいものか、そうでないかを見破ることができるのです。それは、幼児や子供でも同じです。一般的に、立場が弱い人ほど感性が敏感になっていて、矛盾信号を感じ取っているのです。「どうせ高齢者だから」とか「認知症があるから分からないだろう」とかという考えで対応していたら、決して良好なコミュニケーションを構築することはできないのです。同じ人間として対等な立場であることを再認識して、関わることが重要です。

 

また、人に接するときは、言葉だけではなく全身(相手との距離感、正面の向き、手振り、表情、言葉の使い方や強弱)で気持ちを伝える態度の取り方が、技術として問われることを意識しておいて下さい。介護者は関わり方を演技でなく要介護者である高齢者への接遇の技術として心がける必要があるでしょう。この技術というものは、事業所の専門職員として働く人だけではなく、在宅で介護をしている家族にも求められことなのです。「身内だから・・・」という考えもあるかも知れませんが、個人の人間として尊厳を守り冷静さを保ちながら上手く日頃の介護をしていかなければなりません。

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