介護のヘルプ|介護士目線の介護現場

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感染症に罹患しない心得

   

みなさん、こんにちは。

今回は介護の現場で感染症に罹患しない心得をお話します。

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「介護や看護に携わる職員は、感染症に罹患することぐらいは、覚悟しておけ!」

という記事を読んだことがあります。これは、大きな間違いです。利用者がインフルエンザやノロウイルスに感染することは確かにあります。最初は当然、一人、二人から発症していくわけですが、この段階では既に職員は、蔓延対策を講じていく必要があるのです。その中には当然、職員自ら罹患しないようにする必要があり、「感染覚悟」なんと絶対に思ったらいけません。

 

職員の感染は、施設全体への蔓延の大きな原因になります。また、罹患して仕事を休むことにより、施設はどうなりますか?

特に介護職員の人手不足は深刻な上に、益々現場は悲鳴をあげるようになります。健康な職員にしわ寄せが行って、身体的・精神的疲労が蓄積され、やがてその職員もダウンすることが目に見えます。こうなれば、悪循環の始まりで、流行が終わるのか先が見えない状態になります。

介護の現場で働く職員は、絶対に感染しないという、強い意思が必要です。そのためにはやはり、それなりの知識と技術が必要なのです。その知識や技術も備わってないまま、普段から現場で介護をすることは単に職員の質が低いだけなのです。

 

直接現場で高齢者に接する職員だけでなく、施設(事業所)全体として、常に危機感を持った取り組みをしておく必要があるのです。「事務職員やケアマネは現場に出ないから関係ない」「現場で起こることは、現場で解決するべきだ」と考えることは、事業所のレベルが低い証拠です。

では、具体的にどのように取り組んでいくかですが、いつ最初に感染者がでても対応できるように、普段から職員間で意思の統一、マニュアル作成、汚物処理の取り扱いの練習をしておくことが必要です。

手洗いやマスクは常識中の常識ですが、感染症そのものについても学習する必要があります。例えば、ノロウイルスはアルコールでは死滅しません。次亜塩素酸ナトリウムが有効的ですね。シーズンにより流行しやすいものがあるので、一年間を周期的に考えて、それに合わせた対策をしていきましょう。

 

自分が罹患しないのは、単に自分のためだけではありません。事業所全体の流行を防ぐことから始まり、その地域で在宅サービスを利用する方まで影響を受けることを考えることが、介護の現場で働くプロの意識なのです。

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